TBSクリスマスの約束2009~22'50''

2009年12月25日深夜にTBSで放映された「クリスマスの約束2009」。この番組は毎年クリスマスの深夜に放送されている番組で、確か2001年から続いている。

2009年は、第一線で活躍するアーティストたち、しかもそのボーカリストが集まることの凄さを示したいとする小田和正の企画だった。

みんなでメドレーを歌う。最後まで参加アーティストが責任を持って歌いきる。まるでスポーツの団体戦のように。

その小田さんの企画に対し、「無理だ」、「イメージが湧かない」、「アーティストの個性を無くしてしまい、果たしてそれが各アーティストへの尊敬にならないのではないか」など、参加アーティストからの厳しい意見を受け、最後には番組プロデューサーからも「何が得られるのか分からない」と反対されていた。

けれど小田さんは、自身の中で確かなイメージはなくとも、何かおぼろげな完成形が見えていたように、それに向かってとにかく突き進もうとする。そして迎えた番組本番。

その参加アーティストの曲のメドレーは、それ自身の曲の時間をタイトルにして「22' 50"」と付けられた。


      22' 50''
この日のこと / 全員
TRUE LOVE / 藤井フミヤ
今夜だけきっと / STARDUST REVUE
ロマンスの神様 / 広瀬香美
明日がくるなら / JuJu
明日、春が来たら / 松 たか子
友達の詩 / 中村 中
LaLaLa / 佐藤竹善
恋におちたら / Crystal Kay
Story / AI
夢で逢えたら / 鈴木雅之
ハナミズキ / 一青窈
翼をください / 山本 潤子
HOME / 清水 翔太
YES-YES-YES / 小田和正
LIFE / キマグレン
虹 / Aqua Timez
全力少年 / スキマスイッチ
Jupiter / 平原綾香
涙そうそう / 夏川りみ
青春の影 / 財津和夫
帰りたくなったよ / いきものがかり


世代、ジャンル、性別も、レコード会社も所属事務所もすべて超え、アーティストが共同作業をしてメドレーを完成させた。みんな、自分勝手な歌い方はしない。自分勝手な歌の解釈もしていない。ひとつの「うた」として歌いきっていた。その声量もすごかったに違いない。その様子がテレビからも充分伝わってきた。圧倒的な声量。

曲が終わって、鳴り止まない会場の拍手は、放送では3分半以上も続いた。その間、小田さんは鳴り止まない拍手にただただ頭を下げるだけで、言葉にならない。やっと言った言葉が「いやぁ~、参ったね。」だけだった。ステージでは参加したアーティストたちが抱き合い、手を交わし、握手したりハイタッチするアーティストも。

フミヤがこう言っていた。
「僕らは俳優の人たちと違って、何かを共同作業で造り上げるということをしない。だから自分勝手だったりするけれど、こうやって経験してみると、僕ら日本の音楽界も捨てたもんじゃないって感じがする。歴史的な瞬間に立ち会えたような気がする」と。

久しぶりに録画した「クリスマスの約束2009」を見た。気が付いたら目頭が熱くなって、涙が止まらなくなっていた。一緒に口ずさもうと思っても、声が詰まって出なかった。

自分自身、「最近の若い奴らの音楽はよ~分からん」と排除してばかりいたけれど、この22'50''を聴くと、才能溢れた若いアーティストがたくさんいて、良い曲がたくさんあるんだ、って思えた。世代やジャンルを理由にして排除するのは、これからはやめよう、と素直に思った。

そんなことを企画し、やり遂げた小田さんは、松たか子が言うように「変わっているけれど、でも悪い人じゃないと思うます。」だと思う。

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