ミートホープ社内部告発の陰で

北海道苫小牧市で発覚した食肉偽装問題。TBSのバラエティニュース・キミハ・ブレイクという番組でミートホープ社を内部告発した赤羽氏が出演していた。

赤羽氏は内部告発したことを今も悩み続けていた。告発したことで、100人の従業員の生活を奪い、路頭に迷わせる結果となってしまったこと。事実を偽り偽装を行っていた不正を公表したことで、消費者の安全を守る手助けになったという思い。

けれど、告発が原因で身近な親類や地域社会からの中傷を受け、家族がバラバラに暮らさなくてはいけなくなった現実が待っていた。

親類からは「自分だけ偉そうにするな」「一族の恥だ」などと言われ、地域社会では持ち回りの役割も拒まれ続け、マスコミの執拗な取材の毎日だったという。

内部告発という行為は、会社人間としてはある意味裏切り者でもある。自分が働いている会社を裏切るような行為と考えられているからだ。しかし、不正をしていることを知っていながら、黙認し続けることは、不正に加担していることでもあり、その企業の商品を信用して購入してくれている消費者を裏切っている行為でもある。

果たして、どちらを選択すべきなのか。

赤羽氏も話していたが、誰だって最後は自分のことが可愛いし、自分の身を守ることが大切だ。


もう何度もこのブログに書き込んで来たけれど、かくいう私も以前勤めていた日本製粉という企業を内部告発した側の人間である。6年間もの期間、本人の意に反して派遣という不安定な雇用をし続けていたことに始まり、派遣という弱い立場であることを巧みに利用して、頑張れば必ず正社員にしてもらえる、という根拠のない期待を持たせ、また不満があっても言い出しにくくする環境だった。

それでも6年間、我慢し、期待し続けた。最終的には職場の最高責任者である研究所の所長と総務課長に申告したけれど、取り合ってはくれなかった。所長室で「労働者派遣法に違反している事実がいくつかあるので、是正すべき。自分たちに自浄能力がないのなら、外部機関の力を借りざるを得ない。派遣労働者を雇用するのなら、まずは労働者派遣法について勉強すべきだ」と直接申告したにもかかわらず、である。

取り合ってくれなかっただけではない。総務課長は管理職会議の場で、私が外部機関に内部告発したことを報告し、事もあろうかこの私と裁判になる可能性があるなどと何の根拠もない話しをして見せた。出席していた管理職のひとりが職場に戻り、部署内で「○○が会社と対立し裁判を起こすらしいので、今後は仲良くしないように」などと伝える始末。

おかげで私は会社内で冷たい目で見られ、自分の立場を心配する社員は皆、私と口をきかなくなった。

いったい私がどんな悪い事をしたというのだ?

派遣法に違反をしていたのは会社側だ。しかも労働局の行政指導を受けたのだから、私の個人的な意見ではない。なのに冷たい視線にさらされ、まるで私が悪者かのような扱いだった。

今日の赤羽氏の話しをテレビで見ていて、赤羽氏のつらい立場が理解出来るような気がして、切なくなった。何かを得れば、何かを失う。自分が正しいと自信を持っていても、本当にそれで良かったのか。それぞれの立場の人がいるから、一概には言えないなー。

けれど私は信じたい。間違った事はしなかったのだと。派遣法に違反していた事実を棚に上げ、まるで目の敵のような態度で接して来た総務課長は、最悪だった。

だから赤羽氏の行為は決して間違っていなかったのだ、と伝えたい。安さを追求するためなら偽装だって不正も平気でやる。そんな社会はうんざりだ。正直者が馬鹿を見る、、、そんな世界にはしたくないから。

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